東京は、春の真ん中を過ぎ、桜が葉を広げ始めました。
温かな時間が長くなり、外へ、外へと出てゆきたくなるこの頃。
作り置きのひと品があれば、帰宅後の食事の心配もなく、一層楽しい時間が過ごせそう?
4月の最初は、おなじみの作り置きから「煮豚」
馴染みがないかもしれませんが「保温調理」すると帰った頃がちょうど食べごろ。
煮豚にもれなくついてくるたくさんの煮汁は、きんぴらや煮物の調味に重宝しますが、
今回ご紹介するカレー味の和風そぼろもお試しくださいね。
<保温調理で作る煮豚>
材料 豚肩ロースかたまり2本*800~1000g程度
煮汁(蜂蜜または砂糖80g 酒・水150ml 醤油・味醂各100ml)
*調味料を無駄にしないためにも、煮豚は2本で作るのがお勧めです。
直径16~18㎝程度の肉がぴったり入る小さめの鍋に、肉をギュッと押し込み、
調味料を注ぎます。もし、肉が飛び出ているなら、酒か水を足してください。
火にかけ、煮立ったら蓋をずらしてかけ、弱めの中火で10分。
肉を裏返し、紙などで落し蓋をし、さらに5分。
蓋をぴったりしてさらに1分煮、蓋が、カタカタしたら火を止めます。
底に鍋しきがわりの新聞紙を当て、タオル3~4枚またはバスタオルでぐるぐる包む。
発泡ケースかくしゃくしゃにした新聞紙で隙間を覆った段ボール箱に詰め込み、4時間保温。
余熱で火を通すと、豚肉は箸でほぐれるほどに柔らかく火が通ります。
保存は、肉は煮汁から取り出してアルミ箔でぴったりと包み、保存袋へ。
冷蔵庫で1週間、冷凍庫で4週間ほど保存できます。
そして煮汁は保存容器へ。上に固まった脂肪を取り除けば冷蔵庫で1~2か月保存可能。
その煮汁を使った<和風カレーそぼろ>
材料 豚ひき肉500g ネギ2本*200g ごぼう1本*150g しょうが一塊*50g
カレー粉大さじ2~3 煮豚の煮汁300ml 味噌大さじ2)
肉の臭みを旨味に変えるため、まずはしっかりと肉を炒めます。
肉の色が白く変わり、ぽろぽろになり、澄んだ脂が滲むようになるのが目安。
今回はネギと香りの野菜ごぼう、しょうがを刻んで加え、1~2分炒めます。
野菜はナスやピーマン、キノコなどお好みのもので。
全体に油がなじんだら、調味。
カレー粉はスパイスが食品の保存性を高めてくれるだけではなく、
その香りで保存中の冷凍庫の臭いを紛らわせてくれる優秀な助っ人です。
煮豚の煮汁をひたひたに注ぎ、味噌もプラス。
煮汁がじりっと煮詰まるまで炒り煮にすれば出来上がり。
冷めたら保存袋に入れ、ぴったり口を閉じます。
冷凍なら3週間、冷蔵なら2週間保存可能。
白いご飯においしいのはもちろん、
グリーンサラダのトッピングや、
パンにチーズと共にのせてこんがり焼いても美味。
そして私の一番のお気に入りは、ひとりランチの和風ドライカレー。是非お試しを!
連れ合いの実家から、ふきのとうがやってきました。
育てているというよりは、育っているものなので、
畔で摘んできたように自然のまま。
例年の東京ならすっかり花開いているはずですが、
今年の寒さで、まだ蕾でいてくれたようです。
それでも、店頭のものとは違い
今にもほころびそうなものばかり。いくつかは既に開花中。
固く蕾を閉じたふきのとうなら、「さっと網焼きして醤油をひとたらし」が一番。
開き始めたものは、その姿を愛でるためにも、薄衣の天ぷらが美しく、美味。
<材料>ふきのとう、お好みで松の実 味噌 味醂 油少々
到着した日に食べきれなかった残りの1/3は、おなじみのふきのとう味噌に。
ふきのとうは、ざぶざぶと洗って汚れを流し、軽くゆでて水にとりって絞り、刻みます。
ふきのとうの苦みがお好みなら、下ゆでなしでも大丈夫。
鮮度の良い物ならなおさらです。
ただ、苦みは、土と気候、大きさ、収穫時期で大きく異なります。
自分の舌、もしくは食べるという経験でしか判断できません。
香りを堪能したいなら、直炒めが断然おいしいのですが、
苦みが苦手なら、下ゆですることをお勧めします。
油と松の実をフライパンに入れて火にかけ、ゆっくりと炒る。
今回は、ゆでたふきのとう30gに対し、松の実20g
香ばしく炒りあがったらふきのとうを加えてざっと混ぜ、
味噌とみりんを加えてもったりするまで炒りあげれば出来上がり。
味噌はお好みですがふきのとうの2~3倍。今回は100g。味醂は大さじ4
春の食事に砂糖の多用はあまりお勧めしないのですが、
砂糖の甘みは苦みを抑え、コクにもつながりますので、
まろやかな仕立てがお好みなら
味醂の1/3を砂糖に置き換えてどうぞ。
天然の山菜が出回るのはもうしばらく先の5月頃ですが、
ふきのとうは栽培物はすでに店頭に並んでいるはず。
山菜の苦味は浮足立ちがちな春の心を落ちつけてくれる良薬です。
ほろ苦さが恋しくなったら是非どうぞ。